こんにちは、Niinaです。
2020年、2021年は山鉾巡行が中止されるなど縮小していた京都の祇園祭。去年(2022年)から再開され、今年は山鉾に見物客が乗れるなど、2019年までと同じ形に戻りました。
私は去年(2022年)、後祭の宵山に行くことが出来たのですが、前祭には行けませんでした…
2022年の記事はこちら→【2022年7月23日】祇園祭・後祭の宵山散策!11基の山鉾を観てきた【京都】
今年(2023年)は前祭・後祭両方とも行くことができましたので、その思い出を写真とともに残しておこうと思います。
さて、今回は2023年7月14日(金)に前祭の山鉾をご紹介します!
宵山は2023年7月16日(日)、山鉾巡行は7月17日(月・祝日)です。日曜と祝日…絶対混むと思いました。
少しでも人が少ない日を求めて、「宵々々山」の日に行くことにしたのでした。
私が今回巡った順番
前祭の山鉾は23基あります。後祭の山鉾は11基なのですぐ回れるのですが、前祭は倍ほどあるのでそれなりに時間も掛かります。
そして、なんということでしょう…私は今回、うっかりしてしまい、1基行き忘れて帰ってしまっていたのです。
なので、本記事では22基の山鉾の紹介となります。ご了承ください。
私は今回、以下の順番で巡りました。この順に紹介していきます。
①保昌山→②岩戸山→③船鉾→④伯牙山→⑤芦刈山→⑥油天神山→⑦太子山→⑧木賊山→⑨四条傘鉾→⑩蟷螂山→⑪郭巨山→⑫放下鉾→⑬霰天神山→⑭山伏山→⑮占出山→⑯菊水鉾→⑰函谷鉾→⑱長刀鉾→⑲鶏鉾→⑳白楽天山→㉑綾傘鉾→㉒月鉾
行くことが出来なかったのは「孟宗山」。訪れた日が山建ての日だったようです。
もしかしたら山建ての様子が見られたかもしれないのに…無念。
山鉾紹介
今年撮影してきた写真とともに、山鉾を紹介していきます。
私は祇園祭には子どもの頃から2019年までは毎年行っていて、その度に写真も撮ってはいるのですが、今年はコロナ禍に購入したズームが出来るデジカメ(FZ85)を持っていったので、鉾の上部など、今までなかなか撮れなかった部分の写真も撮ってみました。
保昌山
最初に行ったのが保昌山。「ほうしょうやま」と読みます。
丹波守・平井保昌が和泉式部のために紫宸殿の紅梅を折って持ってくるという、恋の物語がモチーフとなっている山です。
まだ山に懸装品は付けられていませんでした。
懸装品のついていない状態が観られるのも宵山の特徴ですね。
釘を一切使わず縄だけで建てているんだそうです!
町会所の二階に保昌の像が見えました。
岩戸山
次は「岩戸山(いわとやま)」です。
「国生み」「天岩戸」を元にした山で、伊弉諾尊、天照大神、手力雄尊が祭られています。
ビニール越しに懸装品を観ることが出来ました!美しかった!
大きな車輪もあって鉾かと思ってしまうのですが、鉾がついていないので山なんですって。車輪のある山を「曳山」と言います。
町会所で懸装品を観ることができました。
こちらの素敵な見送。「ヴェネチア」という題名。目を引きました。
船鉾
「船鉾(ふねほこ)」です。船の形をしています。
懐妊中の神功皇后が新羅へ行き勝利する『日本書紀』の神話を元にした鉾。後祭の大船鉾と同じモチーフですが、船鉾は行きの船です。
舳先の金色の鳥は「鷁(げき)」というらしいです。
船鉾は人気があり混み合っていてなかなかじっくり見られませんでしたが、すごく豪華で美しかったです。
伯牙山
「伯牙山(はくがやま)」です。
中国の故事「断琴の交わり」をモチーフにした山です。
このときはまだ付けられていませんでしたが、巡行では中国風に統一した懸装品が飾られるそう。
芦刈山
「芦刈山(あしかりやま)」です。
「夫婦が貧しさのため離別し、妻は京で宮仕えし裕福になったが、夫が気になり探しに行くと夫は落ちぶれ芦を刈って売って暮らしていた」という謡曲『芦刈』を題材にした山です。
私『芦刈』のお話が好きなので、芦刈山は個人的な推し山です!
こちらの前懸は「凝視」という1986年製のもの。
1989年製の胴懸「豊公獅噛鳥獣文様 錦織」。
こちらの見送「鳳凰と幻想動物に牡丹の図」は、なんと16世紀のものだそうです!
町会所でも沢山の懸装品を観ることが出来ました。
芦刈山の御神体。
復元新調されたご神体の衣装。
油天神山
「油天神山(あぶらてんじんやま)」です。
黄金の社殿に菅原道真をまつる山です。
懸装品は掛かっていませんでした。
太子山
「太子山(たいしやま)」です。
聖徳太子が四天王寺建立の際、杉で六角堂を作った逸話を元にした山。
他の山は真木(しんぎ)に松の木を立てていますが、太子山だけはモチーフにちなみ、杉を立てている唯一の山だそう。
ビニール越しに懸装品が見えました。
木賊山
「木賊山(とくさやま)」です。
謡曲『木賊』(世阿弥作)をモチーフにした山です。
懸装品はまだでした。
四条傘鉾
「四条傘鉾(しじょうかさほこ)」です。
傘自体がご神体で、傘の上には赤幣と若松が載っています。
美しいですよね。
駒形提灯の「傘」の字がにっこり笑顔に見えて、なんだか可愛らしいと思いました。
蟷螂山
「蟷螂山(とうろうやま)」です。
粽が人気で、とても長~い列ができていました。
御所車の上に載っている、人気のカマキリさん。
山鉾巡行の際、鎌や羽などが動くんですよね!
横から。人気の山なので混んでいました。
郭巨山
「郭巨山(かっきょやま)」です。
中国の説話を元にした山。
赤い紋の入った真っ黒な屋根(日覆い障子というらしい)が目を引きました。
放下鉾
「放下鉾(ほうかほこ)」です。
全体的にきらびやかで何ともゴージャスな屋根。
鉾の上部を見ていると、何かがあることに気づきました。
鉾には「天王人形」というお人形が飾られているんですね。
放下鉾の天王人形は、鉾の名前になっている放下僧の人形です。
カメラで鉾の上部をズームして「何かある」のは分かったのですが、まさか人形があるとは気づかず…。(長刀鉾でやっと人形の存在に気づきました)
肉眼では見えなかったです。
町会所では、今年8年かけて復元新調された下水引も鑑賞できました。
(新聞で記事を読んでいたので、実は今回の楽しみの1つでした…!)
写真では伝わりにくいかもしれませんが、人物の部分などが立体的なんです!
下が江戸時代の旧下水引で、新しいものと比較できるようになっていました。
忠実に再現されているのが分かります。
稚児舞ができる稚児人形。
霰天神山
「霰天神山(あられてんじんやま)」です。
永正年間の京都の大火の時、突然あられと小さな天神像が降りてきて大火が鎮まったことに由来する山です。
山伏山
「山伏山(やまぶしやま)」です。
ご神体は山伏の衣装を着た浄蔵貴所(じょうぞうきしょ)。
平安中期の僧で、傾いた八坂の塔を祈祷で元通りにしたといわれています。
懸装品がつけられていない状態でした。
会所で懸装品を鑑賞できました。
会所の2階にご神体。外から見えるようになっていました。
占出山
「占出山(うらでやま)」です。
神功皇后がご神体です。神功皇后が戦いを占うために釣りをし、鮎を釣りあげたという説話をモチーフにしている山です。
この説話は魚のアユが漢字で「鮎」となった由来とも言われています!
懸装品は町会所で観ることが出来ました。
菊水鉾
「菊水鉾(きくすいほこ)」です。
京都の名水「菊水の井」に由来した鉾。
「菊水の井」は謡曲『菊慈童(きくじどう)』が由来となっているので、菊水鉾は菊の露を飲んで700年も生きたという菊慈童をまつっています。
絢爛豪華です。
お囃子も聴くことができました。
鉾頭は金色に輝く菊の花です!
(天王人形の写真は撮っていませんでした…)
函谷鉾
「函谷鉾(かんこほこ)」です。
秦から逃げてきた斉の孟嘗君(もうしょうくん)が、早朝に鶏が鳴くと開かれる函谷関で、家来に鶏の鳴き真似をさせ本物の鶏も鳴いたことで夜中に函谷関を通ることが出来た…という、鶏鳴狗盗の故事を元にした鉾です。
屋根の装飾も凄いです!
宵山までは白い上水引(屋根の下の!)がつけられていますが、巡行の時は赤い上水引になるそう。
鉾の上部です。
向こうを向いた天王人形も見えますね…。孟嘗君の人形だそうです。
長刀鉾
「長刀鉾(なぎなたほこ)」です。
巡行では毎年必ず先頭と決まっている鉾です。
この辺は特に混み合っていて、立ち止まれません…
ビニール越しでも豪華なのが伝わってきます!
屋根も凄いですよね。じっくり観てみたいものです。
向かいに回れば鉾付近より混んでいなくて、じっくり鉾全体が観られました。
鉾頭の長刀もバッチリ見えました。
天王人形。(カメラが無ければ私は今回も気付かなかったでしょう…)
鶏鉾
「鶏鉾(にわとりほこ)」です。
平和な世が続き、出番の無くなった訴訟用の太鼓に鶏が巣を作ったという、中国の故事を元にした鉾です。
二番下水引と三番下水引は約200年振りに復元新調されたもので、去年(2022年)に初お披露目されていました。
去年はテレビ番組で観ていたので、今年は直接観られて嬉しかったです。
鶏鉾の天王人形。住吉明神の人形だそうです。
白楽天山
「白楽天山(はくらくてんやま)」です。
唐の詩人・白楽天(白居易)と道林禅師との問答の場面を描いた山です。
今年は16世紀製の前懸や水引が復元新調されているとのこと。
シートが掛かっていました。
綾傘鉾
「綾傘鉾(あやかさほこ)」です。
傘に掛かっている幕は垂り(さがり)というらしく、飛天が描かれていました。
月鉾
「月鉾(つきほこ)」です。駒形提灯にも「月」の字が書いてあるので分かりやすいです。
高さも重さも一番大きな山鉾だそうです。
向かいから観ると全体がよく見えてオススメです。
全体的に鮮やかで豪華でした。
鉾頭は三日月でした。
月鉾の天王人形。月読尊(つきよみのみこと)の人形だそうです。
最後に
京都の夏は本当に暑く、祇園祭の時は猛暑と人の多さでヘトヘトになってしまう印象が強いのですが、曇りだったこの日は、驚くことにそんなに暑くなかったんです。
その翌日からはやはり猛暑だったので、この日に訪れることができたのは幸いでした。
すべての山鉾を巡るつもりだったので、1つ行けなかったのは悔しいです。チェックリストでも作れば良かったと反省…。
◆後祭の宵山についても、記事にしました!→【京都】2023年の祇園祭・後祭へ!11基の山鉾と御旅所で御神輿を観てきた【2023年7月22日】
◆2024年も祇園祭(前祭)に行きました!→【京都】2024年の祇園祭・前祭の宵山を歩く!全23基の山鉾をすべて観てきた【写真付き】